風たちの学校

田中健太監督作品

(2023/カラー/77分/日本/ドキュメンタリー)出演:黄柳野高等学校 在校生 スタッフ 保護者 卒業生の皆様 空撮:髙畑颯人/整音:川上拓也/カラリスト:星子駿光/共同プロデューサー:賀村航大/編集・アソシエイトプロデューサー:秦岳志/監督・撮影・編集:田中健太/製作・配給:合同会社ななし

2025年3月15日(土)〜 新宿K’s cinemaほか全国順次公開

大好きだけど、ちょっとややこしい そして2度と戻らない時間─。

春が来たら卒業だけど、絶対忘れない

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本作は「UDCast®」(バリアフリー字幕/音声ガイド)に対応しています。

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森に囲まれた黄柳野(つげの)高校校舎の航空写真 笑顔で友人と抱き合うことみさんの写真 ベッドの上で寝起き姿のみのき君の写真

イントロダクション

新たな、
学校ドキュメンタリーの秀作が誕生

泣いたって傷ついたって大丈夫
この学校なら受け入れてくれる

愛知県奥三河の黄柳野つげの—高校
豊かな自然に囲まれ、四季の移り変わりを感じながら生徒たちは全寮制のこの学校で学ぶ。ここでは、不登校などいろいろなバックグラウンドの子どもたちも受け入れてくれる。様々な葛藤を抱えながらも精一杯、生きる生徒たちの姿。
最後の学園祭をクラスみんなで成功させたいと願うみのきくんは、血の繋がらない父の家業を継ぐか世界を旅する夢を追うかで悩み、音楽が大好きなことみさんは、ときどき落ち込むけど、ちょっとずつ自分の思いを歌にしていく。そして3年間の学校生活の終わりは、近づいてくるのだった—。

不登校を経験した監督が学んだ学校を、
四季の移り変わりを通じて
自らカメラに収めていく

監督は、大阪芸術大学でドキュメンタリー作家、原一男に学んだ田中健太。苦しみながらも懸命に⽣きている⼦どもたちが集う、大阪・富田林市の駄菓子屋を描いた卒業制作『ぼくと駄菓子のいえ』が、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル、なら国際映画祭などで上映され、高く評価された。その待望の新作は、自らも不登校を経験し、黄柳野高校で学んだ記憶を胸に、時には悩み。傷つきながら成長していく子どもたちを、四季を感じながらそばに寄り添い、生き生きと捉えていく。

走る生徒の写真 ボクシングの練習をするみのき君の写真 団欒するみのき君の写真 校舎の隅で体育座りで落ち込んでいることみさんの写真 黄柳野高校校舎の廊下の写真

黄柳野つげの高校とは

豊かな自然に囲まれた、愛知県奥三河にある全寮制全日制普通科の高等学校。
全校生徒は約170名程度で、生徒たち一人ひとりが個性を大切にし合いながら、仲間たちと共同生活を営んでいる。
また教科書による知識だけではなく、キックボクシングや農業、ダンスなどの幅広い探求や、フィールドワークなど豊かな生活体験をもった人々との交流も行っている。
ちなみに木造の校舎は上空から見ると、クエスチョンマークの形をしている。

黄柳野高校ホームページ

  • 校舎の外観写真
  • 校舎の外観写真
  • 庭園の写真

コメント

  • 学校に行くことが当然の社会で不登校をすることは、容姿・能力など自分の一部ではなく、自分という人間が至らない、ダメな存在に感じられる自己否定を経験し得ることだ。優しい教職員が温かく接してくれる場でも、自己否定の容赦ない葛藤はやってくる。主役の表現的な二人は、手を差し伸べる人たちとの信頼を支えに前に進もうとしている。そのかけがえのない時間がここに閉じ込められている。

    朝倉景樹 (社会学者・雫穿大学代表)

  • これは何も特別な人たちに起こりうる出来事ではない。ままならない体と心が、少しずつフィットしてくる。自らの人生に少しずつ向き合えるようになってくる。そんな思春期を生きる若者の、まっすぐでむき出しの姿に僕は終始心が揺さぶられた。
    それにしてもカメラに切り取られた三者面談の場面が、これほどスリリングで面白いとは! ミット打ちの乾いた音、ギターや笛の音色、透き通った歌声——。さまざまな音響とともに、あの、生きづらい、痛々しく美しい青春の一コマが、画面いっぱいに絶えず蠢く。

    北村匡平 (映画研究者/批評家)

  • ボクは今80歳だ  この年齢には自分でも驚いている
    老人の日々を送りながら 今でも高校の頃を良く思い出す
    ごく普通の高校なのだが あの3年間で 自分が生きていく方向が分かったような気がしたのだ
    あの3年間がなければ 今とは全く違う80歳になっていた筈だ
    まあ、それも面白い話なのだが

    とても面白い映画でした

    久米宏 (フリーアナウンサー)

  • どんな道を歩もうとも味方でいてくれる人がいたこと。気にかけ合う人がいたこと。自分を認められる自分がいたこと。
    そういう経験をした人は、ずっと先までその経験に支えられて歩んでいけるのだと信じられる。人生の中にあった一瞬を忘れないでいられる。カメラに残された真剣な眼差しがそう思わせてくれた。
    撮る側も撮られる側も、とても勇気のいる撮影だったと思う。この映画が学校の外へ、社会へ届けられたことに深く心動かされました。

    小森はるか (映像作家)

  • 人間を本当の意味で育てるのは、傷ついた心に深く共苦出来る人や友と、一緒に生きる場を持つことだ、ということがよく分かる、現代教育の再生への道を示した作品だ。学校は生活の場だが、生活とは生命が活性化するということだ。

    汐見稔幸
    (教育・保育評論家/
    /白梅学園大学名誉学長)

  • 田中自身が過去に不登校経験があるがゆえに、同じような境遇、家庭環境の中で育っている少年少女たちに向けての眼差しが限りなく優しい。優しい眼差しだけが、この国の歪な社会の中で成長していくしかなく、荒んでしまいがちな若者たちの頑なな魂を溶かしてくれる魔法であることを示して、観る者の気持ちを優しくしてくれる作品である。

    原一男 (映画監督)

  • 映画を観るわたしたちにとっても、これは一本の学校である。

    細馬宏通 (早稲田大学教授)

スタッフ

監督のことば

僕は中学時代不登校でした。そして黄柳野高校は母校でもあります。卒業後に僕は映画の道に進み、自分が学んだ学校のこと、そして不登校とは何か、をあらためて考えたいと、この学校を撮影し始めました。
だけれども、そんな僕の独りよがりな思惑を、するりとかわして、彼らはカメラの前で、羨ましいほどにかけがえのない青春を歩んでいきました。
時に悩み臆病になったとしても、勇気を出して一歩ずつ踏み出し、大切な誰かのことを想い合っていったのです。
僕はただただ彼らから、勇気をもらっていただけなのだと思います。
そんなこの映画が、多くのみなさんのもとに届くことを願っています。

田中健太監督近影

監督 田中健太

1993年大阪府生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。原一男監督の制作指導を受けて、監督した卒業制作『ぼくと駄菓子のいえ』は、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル、なら国際映画祭などで上映され、2017年に大阪シネ・ヌーヴォで劇場公開された。
その他、撮影として『れいわ一揆』(19/原一男監督)、録音として『命の満ち欠け』(22/小関翔太、岸建太朗監督)、DITとして『海辺の彼女たち』(20/藤元明緒監督)にも参加。

  • 編集・アソシエイトプロデューサー
    秦岳志

    1973年東京都生まれ。京都芸術大学准教授。90年代よりミニシアター「BOX東中野」スタッフとして劇場運営に関わりつつ同事務所で映像制作業務を始める。その後、佐藤真監督と出会い、『花子』(01)、『阿賀の記憶』(04)、『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)等の作品に編集者として参加。クリエイティブ・ドキュメンタリー映画の編集、プロデュースを中心に活動を続ける。主な編集作品に小林茂監督『チョコラ!』(08)、『風の波紋』(15)、真鍋俊永監督『みんなの学校』(14/編集協力)、小森はるか監督『息の跡』(16)、戸田ひかる監督『愛と法』(17)、『マイ・ラブ:6つの愛の物語 日本篇』(21)、原一男監督『ニッポン国VS泉南石綿村』(17)、『水俣曼荼羅』(20)、日向史有監督『東京クルド』(21)、國友勇吾監督『帆花』(21)、黒部俊介監督『日本原 牛と人の大地』(22)、川上アチカ監督『絶唱浪曲ストーリー』(23)など。プロデューサーとして日向史有監督『アイアム・ア・コメディアン』(22)、Yih Wen Chen監督「Queer as Punk」(25)など。

  • カラリスト
    星子駿光

    1990年東京都出身。東京俳優・映画&放送専門学校  CG専攻卒。
    フリーランスのVFXデザイナーを経て、株式会社東京現像所へ入社。テレシネ、DITを経て2013年にカラリストデビュー。以降、映画・ドラマを中心にカラリスト/DITとして活動。フィルムラボでの経験によるフィルムとデジタルの幅広い知識を活かしたグレーディングが持ち味。
    新作のみならず、旧作のリマスターも手掛ける。2022年よりDI Factoryに所属。
    主な担当作品に「家族はつらいよシリーズ」「男はつらいよ50 お帰り、寅さん」「僕の帰る場所」「海辺の彼女たち」「遠いところ」「Winny」「用心棒・椿三十郎4Kリマスター」

  • 整音
    川上拓也

    映画美学校ドキュメンタリーコース修了後、フリーの録音・編集として活動。録音担当作に『風の波紋』(15/小林茂)、『マイ・ラブ:日本篇 絹子と春平』(21/戸田ひかる)、『百年と希望』(22/西原孝至)、『重力の光:祈りの記録篇』(22/石原海)、『はだかのゆめ』(22/甫木元空)、『きのう生まれたわけじゃない』(23/福間健二)など。整音担当作に『息の跡』(16/小森はるか)、『帆花』(21/國友勇吾)、『二十歳の息子』(22/島田隆一)、『骨を掘る男』(24/奥間勝也)、『どうすればよかったか』(24/藤野知明)など。編集担当作に『台湾萬歳』(17/酒井充子)、『Ryuichi Sakamoto | Opus』(23/空音央)、『アイヌプリ』(24/福永壮志)などがある。

劇場情報

バリアフリー上映のご案内

本作品は『UDCast』方式による視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕に対応しています。
・音声ガイドは、専用アプリをインストールしたスマートフォン等の携帯端末をお持ちの方は、全ての上映劇場、上映回にて音声ガイド付きで映画をお楽しみいただけます。
・日本語字幕は、字幕表示専用のメガネ機器に『UDCast』アプリをダウンロードし、専用マイクを付けてお持ちいただければ全ての上映劇場、上映回にて、日本語字幕付きで映画をお楽しみいただけます。一部劇場にてスマートフォン等の携帯端末用での字幕利用も可能です。対応劇場については、「字幕タブレット貸出とスマートフォンでの字幕利用について」をご確認ください。なお、画面の点灯等により他のお客さまの鑑賞の妨げにならないようにご注意ください。
・『UDCast』の詳細、動作確認、メガネ機器の貸し出しについてはUDCast公式サイトをご確認ください。
・一部Android端末には『UDCast』アプリに未対応の機種がありますので、事前に動作確認をお願いします。

都道府県 劇場名 上映期間 備考
東京都 新宿K's cinema 2025/3/15(土)〜
愛知県 ナゴヤキネマ・ノイ 【近日公開】
長野県 上田映劇 【近日公開】
大阪府シネ・ヌーヴォ2025/4/19(土)〜
兵庫県 元町映画館 【近日公開】

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